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【国際】PRIが新しいレポートでERISA法に沿ったESGの法的見解を発表 2016/03/12 ESG

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 PRI(国連責任投資原則)は2月25日、「ERISA法におけるESG要素の見解(Addressing ESG Factors Under ERISA)」と題するレポートを発表した。本書は米国の従業員退職所得保障法(通称ERISA法)の専門ファームとして知られる法律事務所、Groom Law Groupと Morgan Lewis & Bockiusの法的見解を掲載し、投資の意思決定における環境・社会・ガバナンス(ESG)の統合について解説したものだ。

 PRIは昨年「21世紀の受託者責任」を発表しており、このレポートでは米国、英国、カナダ、ドイツ、南アフリカ、ブラジル、日本、オーストラリアの8カ国において、投資家、資産運用コンサルタント、政策決定者に対し、受託者責任の考え方を次のステップに引き上げ、ESGを統合することを推奨していた。今回発表されたガイダンスはこのレポートに沿って作成されたものだ。

 PRIのマネージング・ディレクターFiona Reynolds氏は「本書『ERISA法におけるESG要素の見解』は投資家が投資決定プロセスにESGをどのように概念的に組み込むかの理解を深め、具体的手順を決定することにより、組織内に体系だった形でESGを浸透させる一助となることを狙っている。」と話す。また、法律事務所Morgan Lewis & Bockiusは定期報告書の中でESG基準の導入と社会的目標投資や環境目標投資(ETI)との違いを解説しており、この3つのものは同じものだという誤った考えを払拭している。Groom Law Group法律事務所は、今回文章化されたプロセスはEGSファクターの活用を含む全ての投資検討に必要であると強調しており、レポート内ではプロセスを構築するためのフレームワークを提供している。

 受託者責任を果たすためにはESG要因を検討しなくて良いとする論調が長く続いたが、投資家は気候変動のような問題が引き起こす金融リスクの存在を認め、ESG関連の課題が投資決定に対して重要であることも説いて来た。ESG要因を投資先決定プロセスに組み込むことは受託者責任を果たすことにつながるという考え方は、昨年10月に米国労働省(DOL)公表した政策広報2015-01(Interpretive Bulletin 2015-01)において再確認されている。

 日々の投資プロセスにどうESG要因を統合するのか、法的側面からのサポートとなる本レポートはグローバルでESG金融が加速する中、貴重なアドバイスとなるだろう。

【参照リリース】PRI presents legal perspectives on addressing ESG factors under ERISA 
【企業サイト】PRI
【関連サイト】Addressing ESG Factors Under ERISA  

株式会社QUICK ESG研究所

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