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【アメリカ】ハーバード大学Eccles教授、信託銀行に気候変動への対応を求める 2016/03/18 ESG

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 ハーバード・ビジネス・スクールの教授でESGクオンツ・ファンドのArabesque Partners会長を務め、SASB(米国サステナビリティ会計基準)およびIIRC(国際統合報告評議会)の創業者の一人でもあるサステナビリティ分野の学術研究における世界的権威、Bob Eccles氏は2月17日、MITスローン・マネジメント・レビュー上で気候変動の取り組みにおいて信託銀行が主要プレイヤーとなることを求める論文、”The Climate Custodians“を発表した。

 同論文は、Eccles氏がハーバード・ビジネス・スクールの共同研究者、Tim Youmans氏と執筆したもので、アセットオーナーや企業らに代わり数兆米ドル規模の資産を管理している信託銀行は、気候変動の抑制に貢献できると論じている。具体的には、世界の三大信託銀行であるステート・ストリート、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、JPモルガン・チェースに焦点を当てて、大手信託銀行が企業や機関投資家の代わりに気候変動対応において大きな役割を果たせることを論証している。

 Eccles氏は、この三大銀行は金融システム全体の流動性供給と世界経済の安定維持のために重要な役割を果たしているが、投資家、企業、政策立案者との気候変動に対処するための議論を避けてきたとしている。あた、「信託銀行は銀行の子会社であり、信託銀行の取締役会は米国通貨監査官より、グローバルコミュニティやグローバル経済を含む最低8つのステークホルダーのことを考慮することを求められている」とした上で、これを「地球規模」での合意事項であると考察している。

 さらに、3つの銀行のコーポレートガバナンスガイドラインが連邦通貨監査庁による「重要顧客に対する要求条項」に沿っているかを確認したうえで、「彼らの法的に別会社として区分される信託銀行子会社において、それらの顧客らの要求を認識していることに言及している文書を見つけることはできなかった」と指摘している。

 論文の中では、三大信託銀行が世界全体にどのような影響を与えているかを評価する最初のステップとして、個々および全体の信託資産に紐づけが可能なCO2/ドル基準を使用するというユニークな提案もされている。両氏によって理論的に説明された信託銀行の気候変動における役割は、金融業界にとって新たな圧力となるだろう。

【参照記事】The Climate Custodians
【団体サイト】Harvard Business School
【団体サイト】MIT Sloan School

株式会社QUICK ESG研究所

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