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【アメリカ】ニューヨーク州退職年金基金、サステナビリティ投資を50億米ドルへ 2015/12/24 ESG

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 ニューヨーク州の会計監査役を務めるThomas P. DiNapoli氏は12月4日、ニューヨーク州退職年金基金のサステナビリティ投資運用額を50億米ドルまで引き上げる計画を発表した。同基金は100万人以上の年金を預かる米国で3番目に大きな公的年金基金で、運用と支給計画で最も優良な年金の一つとされている。

 DiNapoli氏の運用計画の中心となるのは、石炭採掘など大規模な炭素排出を行う企業への投資を排除、削減し、より排出量の少ない企業への投資に移行することで、このインデックスへの投資を20億米ドルまで増やすことだ。これにより、リターンを犠牲にすることなくファンドのカーボン・フットプリント削減を目指す。この低炭素インデックスはゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)と提携して既に設定されており、広い市場のリターンを確保しながら米国内企業投資を行う既存のパッシブ運用のインデックスをモデルにされる予定だ。

 同年金基金でチーフ・インベストメント・オフィサー務めるVicki Fuller氏は「長期投資家である我々はリスクを管理できる投資戦略に非常に高い関心を持っている。気候変動は複数のセクターをまたぐグローバルの投資家が直面する最大のリスクの一つだ。今回の発表は我々の最新のコミットメントを示したものだ。資本をより低炭素な企業にシフトし、それに応じたリターンに移行していくことで、我々の投資した資金が環境対策に積極的に関わる事業に使われているというメッセージを発信している」と語る。

 また、GSAMにてESG・インパクト投資の代表を務めるHugh Lawson氏は「このアプローチは賢明なリスクマネジメントを行うという側面と、ポートフォリオからの排出量を大幅に削減するという二つの側面を融合したものだ。米国株ポートフォリオのリスクとリターンに合わせつつ、ポートフォリオから排出量を削減するという今回のカスタマイズによりニューヨーク州との提携を拡大できたことを歓迎している」と述べた。

 今回の低炭素インデックスでは、CDPに提出された排出量データをもとにして、排出量の多い株式を排除もしくは投資比率を下げるよう設定されており、最大70%の排出量削減を掲げている。なお、同基金はGSAMとの協働により世界の株式ポートフォリオに潜むカーボン・フットプリントを計算しており、環境に配慮した技術投資とESG投資の継続によって既にベンチマークより15%低い排出量を実現しているとのことだ。

 日本では、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2014年に日本版スチュワードシップコードを受け入れ、今年の9月にはPRI(国連責任投資原則)に署名を行った。米国年金基金によるポートフォリオの低炭素化の動きを注視しつつ、日本においても更なるESG投資の進展を期待したい。

【参照リリース】State Comptroller DiNapoli Positions New York Pension Fund For Low Carbon Future
【団体サイト】NYS Common Retirement Fund
【関連サイト】THE NEW YORK STATE COMMON RETIREMENT FUND’S ENGAGEMENT ON CLIMATE CHANGE

株式会社QUICK ESG研究所

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