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【RI 特約記事】サステナビリティNPO、Ceresが取引所のESGガイドラインに一貫性と比較可能性を要求 2016/09/16 ESG

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 米国に本部を置くサステナビリティNPOのCeresは、国際取引所連合(WFE)に今月提出する「サステナビリティ報告ガイダンス」のフィードバックの中で、証券取引所がサステナビリティ報告ガイダンスを作成する際は比較可能性および一貫性が必要であるという内容を盛り込むこととなった。

 これに先立ち、世界の取引所とクリアリング機関が加盟する国際取引所連合は、昨年11月に一連の重要なESGメトリックス(評価基準)を制定している。このESGメトリックスは、国際取引所連合に加盟する取引所が各取引所の上場企業向けに情報開示ガイダンスを作成する際に参照するためのものだ。

 これは、NASDAQのコーポレート・サステナビリティ担当役員のEvan Harveyが当時議長を務めていた、国際取引所連合のサステナビリティ・ワーキンググループが1年をかけてまとめあげた集大成である。国際取引所連合は、「サステナビリティ報告ガイダンス」を発表する際、投資家から得たコメントを文書に含めなかった。そのため、Ceresが世界の投資家らにアクセスし国際取引所連合に対してフィードバックを提供する経緯があった。

 最近までCeresの「持続可能な取引所のための投資家イニシアチブ」担当役員を務め、現在クリスチャン・ブラザース投資サービス社に在籍するTracey Rembert氏は、投資家は一貫性や比較可能性のあるESGメトリックスを渇望している、とResponsible Investorに語った。

 Rembert氏はさらに、「サステナビリティの分野において取引所と連携する難しさは、各取引所が独自基準の設定を要望し、一貫性のある基準へと導けないことにある」として、落とし所として、ESG報告に関する共通の基本事項が必要となるだろうとした。

 Rembert氏は、国際取引所連合が「サステナビリティ報告ガイダンス」の改訂を約束しており、フィードバックを歓迎していると話す。

 Rembert氏はまた、G20首脳会議の下に設けられた金融安定理事会(Financial Stability Board: FSB)の気候変動関連の財務情報開示に関するタスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures: TCFD)や、非財務報告EU指令などが並行して報告基準作りをしている動きを踏まえ、「サステナビリティ報告ガイダンス」の制定は重要であるとの見方を示した。

 現在、16の取引所がESGに関する報告ガイダンスあるいは、上場規則を定めており、さらに最低でも23の取引所が2016年末までにESG報告ガイダンスを定めるとしている。シンガポール証券取引所は1年間の検討の末、今年6月に"Comply or Explain"(遵守せよ、さもなければ説明せよ)の原則に基づくサステナビリティ報告ルールを上場企業に対して制定した。

 

 本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳したものです。


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【参照ページ】
Ceres calls for comparability and consistency in stock exchange ESG guidance (執筆日:2016年7月7日)

執筆:Responsible Investor, Vibeka Mair (翻訳:QUICK ESG研究所)

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